あなたは柳島克己を知っているか？

1952年―東京。不幸をハコに閉じ込める宗教団体が世間を騒がせていた。その頃、美少女連続殺人事件が発生！私立探偵（阿部）、作家（椎名）、刑事（宮迫）らが、各々の事件を追い“京極堂”（堤）の元へ集い、事件とハコに隠された謎を追う！

いきなりですが、柳島克己という名前を知っていますか？
知っているという方はかなりの映画オタクです！いや映画通！もし柳島克己という名前を知らない？という方でも「スーパーの女」、「GO」や、「座頭市」 、「阿修羅城の瞳」といった映画ならご存じでしょう。でもって柳島克己とはいったい誰！？なのか……。彼こそ、それらの傑作を撮影した日本屈指の名カメラマンなのです！柳島カメラマンといえば“世界の巨匠”北野武の盟友で、これまで北野監督作品の99％を撮影してきた人。上記の作品の他、「3-4Ｘ10月」「あの夏、いちばん静かな海。」「ソナチネ」 、「Kids Return　キッズ・リターン」……etc。あの名作たちも全て柳島カメラによるもので監督たちの意図する世界観を的確に表現し、数々の栄誉に輝く柳島カメラマンはもはや日本の宝なのだ！（過去に2度日本アカデミー賞最優秀撮影賞を受賞）

そんな柳島克己の最新作がこの「魍魎の匣」。映像化は不可能とまで言われてきた京極夏彦の世界を 見事に再現！いや構築！
ミステリアスで、サスペンスに富んだ本作の“魑魅魍魎感”をスクリーンに描き出す。全編“銀残し”風の渋い画調は、カラーなのにモノトーンやセピアに近い映像で、“原作者京極夏彦の世界”と“原田真人監督の世界観”をフィルムに焼き付け、エクセレ～ントだ！

戦後間もない日本の原風景、昭和レトロや浪漫をも散りばめ、圧巻は崖の上にそびえ立つ巨大な直方体“匣館”の異様な威圧感は言葉も出ない迫力だ！

卓抜した美術、抑制の利いた原田演出と、一癖も二癖もある個性豊かな役者たちとのコラボレーションが見事なのは言わずもがな、とにかくそれら全てを撮りつくした柳島克己撮影監督に脱帽だ！！

◆映画館にいかなければ“匣の中身”も柳島克己の映像もYOUは知ることは出来ない！
今すぐムービー館にレッツGOしてこの映像イリュージョンにEYEを見張れ！


text by...  茶柱達蔵

2007/12/27