ストライクゾーン！直球ど真ん中！正々堂々真っ向勝負！天晴れ陣内監督！

プロのタップダンサーを目指し修平（森山未來）は東京で修行を続けていたが、膝の故障でその夢を断念。恋人の静華（加藤ローサ）にプロポーズしようと故郷の北海道へ舞い戻る。修平はひょんなことから、静華の父親がオーナーを勤める少年アイスホッケーチーム“スマイラーズ”のコーチを任されることになるが……。“スマイラーズ”はこれまで一度も得点をしたことがない！ということは、もちろん勝利の経験がないというトンデモ弱小チーム！その上修平はアイススケートが滑れない。そしてアイスホッケーのルールも知らないトンデモコーチだったからもうー大変！ナイナイづくしの展開となる！

この映画の監督は、元ロッカーで現在はバラエティ、ドラマと八面六臂の活躍を見せる陣内孝則監督！意気込みは相当なモノだが、なかなかエンジンがかからない！？ところどころ観客「ドン引き」のシーンも満載で、緩い展開も否めない事実。だが！徐々にエンジンは空ぶかしから本調子になり。後半は陣内エンジン絶好調！ド素人の少年たちもきらきら光り輝き、あっというまにハイテンションかつチャーミングな映画に変身だ！
ダメダメチームの奮戦ぶりは「がんばれ！ベアーズ」や、「マイティダック」を彷彿とさせながらもゴキゲンな映画になっていく！

全編を通じて“足”で指示を出し、エールをおくる森山未來のタップダンスが華麗でキュート！とにかくしびれるステップが画面狭しと暴れ回る。その軽快なこと！思わず魅了されちゃうゾ！いやあこりゃタップの神様、フレッド・アステアや、ジーン・ケリー、グレゴリー・ハインズにもひけをとらないぞ！（これマジです）

“スマイラーズ”はタップコーチの奇想天外な戦法で次々と強敵チームを破り、やがてクリスマスイブに全道決勝大会を迎える……。さてスマイラーズに奇跡は起こるのか？

切ない恋のジュブナイルも、ともだちの大切さも、家族の絆も、落ちこぼれも、弱者もぎゅぎゅぎゅっと詰め込み、なんだかテーマがてんこ盛りだが、今はやりの“メガシネマ”とでも例えようか？

「皆笑うけどベタが大好き、ステレオタイプの人物大好き！いいじゃないか面白ければ」と、宣う真っ向勝負の陣内監督。とにかくやりたいことは全部やってのけたぜイ！と誇らしげな陣内監督の熱い熱～～いメッセージをしっかりと受け止めて欲しい！

◆茶柱の独り言◆
それにしても随所にながれる「THE　LITTLE　DRUMMER BOY」が頭にこびりつてはなれない！ああ、あのメロディ。
“太鼓叩いてラパパンパン～～”しみじみイイ曲だなあ……。

いつも心にスマイルを！


text by...  茶柱達蔵

2007/12/14