――これぞラストサムライ、オーマイガッド！――

時は、幕末の江戸。
下級武士の別所彦四郎（妻夫木聡）は婿養子に入った家から“用済みの種馬”と追い出され、愛する妻と息子と離れ離れに暮らすハメに・・・。
一旗あげて見返してやろうと思ってはいても、新撰組だ、尊皇攘夷だといって騒がしい西の方とくらべ、江戸はメッチャ暇！　いくら文武両道に優れた彦四郎とてその活躍の場を見いだせない。
日々の生活もままならない彦四郎は兄夫婦の家に居候・・・。肩身が狭い！とにかくまったくツイてない。

こうなりゃ、出世は神頼み！とばかりに草むらの中でたまたま見つけた神社の祠に願いをたくし手を合わせる。すると、彦四郎の前に福々しい神様（西田敏行）が現れる！
が、喜びも束の間、ツイてない彦四郎に憑いたのはなんと貧乏神だったのだ！！

負け組だった上に、やっかいな神に憑かれたラストサムライ彦四郎は、この後も疫病神、死神に取り憑かれるハメに・・・。ハリウッド映画なら全編オーマイガッ！の連続だ。

“人の不幸は蜜の味”とはオスギの迷言だが、彦四郎の不運ぶりはイケてる役柄の多い妻夫木だからこそ落差が大きく、楽しめる。

さて、彦四郎の命運やいかに・・・災い転じて福となす、となるのか！？

text by...  茶柱達蔵

2007/06/18