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Cute Movies

女帝 エンペラー

監督:フォン・シャオガン

主演:チャン・ツィイー 、 グォ・ヨウ 、 ダニエル・ウー 、 ジョウ・シュン
6月2日(土)、有楽座他、全国東宝洋画系にて公開

(c)2006 Media Asia Films (BVI) Ltd.
Huayi Brothers Film Investment Co., Ltd. All Rights Reserved.
この映画の下敷きになっているのは、シェークスピアの「ハムレット」。原作を読み比べてみてもおもしろい。

(c)2006 Media Asia Films (BVI) Ltd.
Huayi Brothers Film Investment Co., Ltd. All Rights Reserved.
“誰かに愛されたい”、“できる限りのことをして愛する人を守ってあげたい” というせつない気持ちが伝わってくる…

(c)2006 Media Asia Films (BVI) Ltd.
Huayi Brothers Film Investment Co., Ltd. All Rights Reserved.
これはスゴい!やっと出た、日本人にも分かりやすい中国発エンタテインメント大作!

美しき王妃ワン(チャン・ツィイー)は夫である皇帝を陰謀で殺された後も新帝の妃となることを強いられる。ワンが先帝の妃になる以前から想いを寄せている先帝の息子・皇太子ウールアン(ダニエル・ウー)は、現皇帝にとっては帝位をおびやかす目ざわりな存在。さまざまな機会を使っては暗殺を試みる新帝。権力者の気持ちひとつで命を奪われてしまう身でありながらなお、危険を覚悟で愛するウールアンを守ろうとする皇后。そしてそこに、皇太子を愛するもう一人の女性・政略上の許嫁チンニーがいた。果たして皇太子ウールアンの命は?2人の女性の運命は?

まず始まって「おっ?」と思うのは、古代中国・五代十国時代(日本でいうところの平安時代)の設定なのに、モダンでアートな美術と衣装。宮廷のしつらえは売れっ子インテリアスタイリストの作品のようだし、髪型・化粧は未来をイメージしたパリコレのモデルみたい。とはいえ中華のモチーフとモダンインテリアの融合は見事で、チャン・ツィイーが身につける繊細なアクセサリーや、キャンドルや布を多用した雰囲気作り、アジアンテイストが好きな人にはたまらない。もしも商品化されるようなことがあったなら、ぜ~んぶまとめて買い占めたい!?

そして、ストーリー。これまでの中国映画というとアクションシーンばかりだったり、中国独特の価値観が私たちにはちょっと分かりづらかったり、今ひとつしっくりこないことが多かったのでは。しかしそこは庶民のための娯楽作を作り続けてきた中国映画界の巨匠フォン・シャオガン監督(「ハッピー・フューネラル」など)だけあって、ハラハラ・ドキドキの展開の中にも“誰かに愛されたい”、“できる限りのことをして愛する人を守ってあげたい”という、誰もが経験したことのある切ない想いを盛り込んで、エンタテインメントかつ考えさせられる作品に仕上がっている。

 より楽しむポイントが1つ。この映画の下敷きになっているのは、シェークスピアの「ハムレット」。というわけで、人間の欲望、善・悪が裏のテーマになっている。それぞれが色で表現されているので、そのことも予備知識として頭に入れておくと、よりメッセージが伝わってくるはず。


text by...  こうだ真紀

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