ペッパー・デニス（レベッカ・ローミン）はシカゴのTV局で活躍するニュース・リポーター。驚異的な情報網と巧みな話術、抜群の行動力で次々とスクープをものにしてきた。当然、次のアンカー（スタジオでニュースを読むだけでなく自分なりの洞察を加えて社会を読み解き、生中継を取り仕切るTVニュース界の最高峰）はペッパーと誰もが思っていた。しかし首脳陣が抜擢したのは他局からやってきた敏腕アンカー、チャーリー（ジョシュ・ホプキンス）だった。しかもチャーリーは、前の晩バーで出会いペッパーが一目ぼれした名も知らぬ男性その人だったから、ペッパーの順風満帆キャリア人生は一気に波瀾万丈へ。夫への不満が爆発して家出、ペッパーの部屋へ転がり込んだ妹のキャシー（ブルック・バーンズ）も加わって、仕事がすべてだったペッパーの人生に、恋愛、家族、自分自身と、これまで避けてきた問題が次から次へふりかかる。周囲の助けを借りながらひとつずつ困難を乗り越えるペッパーの姿に、自分自身を重ねて共感する女性は多いはず。仕事に、毎日に疲れたときにこそ、あえて時間を作って見るのがオススメ。

「ビバリーヒルズ青春白書」や「アリー my Love」など、これまでの傑作ドラマシリーズに登場してきた俳優陣が脇を固める。海外ドラマファンにとっては、見覚えのある顔を発見するのもお楽しみの一つ。そして何といっても、「アリー my Love」では鼻持ちならぬプレイボーイ弁護士を演じていたジョシュ・ホプキンスが、本作ではペッパーの恋のお相手チャーリーを演じ、文句なくかっこいい…しかも見た目だけではなく。スマートな物腰、ウィットに富んだ会話、意外な特技、さり気ない思いやり。ああ、私の職場にもいないかしら、こんなヒト。

TV局が舞台だけに、スピーディーで飽きさせない展開。いつもはガンガン押しの強いペッパーが珍事件の容疑者たちの心に寄り添い、共感する姿勢も素敵。ぺッパーを演じるのは元スーパーモデルのレベッカ・ローミン（「Ｘ―メン」「ファム・ファタール」）。デキる女を演出しつつもスタイルの良さ、華やかな顔立ちを最大限に引き出す着こなしはさすが。とはいえ、「Ｄ＆Ｇ」や「ジャンフランコ・フェレ」を当たり前に着こなすペッパーのオシャレは見て楽しくとも、なかなか真似はできないもの。まずは、自分に合わせてバランスよくトレンドを取り入れるメイクアップ担当のキミーや、キュートな色使いで持ち前の優しさを際立たせるペッパーの妹キャシーから参考にするのもよし。

そろそろ梅雨の足音が聞こえてくる季節。うっとうしい日常を吹き飛ばしてくれる45分。必ず明日からのあなたを元気にしてくれること間違いなし！
text by...  こうだ真紀

2007/05/25